「歯周病」とは、最近でこそ比較的頻繁に耳にする言葉になってきていますが、簡単に言えば、歯を支える歯ぐきとその中にある骨(歯槽骨)の両方が悪くなって、極端になれば歯を支えることができなくなり抜けてしまう病気です。
40 ~60歳代では、日本人のほぼ90%が歯周病という、まさに国民病。
症状が悪化する前に正しい方法で予防、治療することが大切です。
原因は、お口の中に以前からいるばい菌が、お口の中に毎日入ってくる食べ物を栄養として繁殖し、その結果作り出した毒素が、歯に近い歯ぐきに悪影響を与えるために起こる、という風にわかっています。
その程度などにより、歯肉炎や歯槽膿漏など色々な言われ方をしますが、成り立ちは一緒です。
こんな症状に心当たりがあれば、要注意です。
先ほど書きましたように、原因はわかっているのですから、それに対する処置が行われることが治療になります。
ただし、我々人間の口の中を無菌状態にすることはできませんので、そのバイキンが繁殖することを防ぐために、栄養素となる食べ物がお口の中に残らないようにすることが、すなわち治療です。
簡単に言えば毎食後にお掃除、つまりブラッシングが完全に行われることが治療であり、同時に再発を防ぐ予防法なのです。
現状のブラッシングでどこが磨けていないのかをよく理解して、ご自分に合ったブラッシングの方法をお話します。
ブラッシングによるプラークコントロールが歯周病治療の第一歩です。
(プラークコントロールとは、毎日の歯みがきで、歯や歯ぐきにプラークがつかないようにすることです)
歯石は歯面に付着したプラーク(歯垢)に唾液中のリン、カルシウムにより石灰化したもので、歯に強固に付着しており、強い病原性を持っています。
特に、下あごの前歯の裏側、上あごの奥歯のほっぺた側につきやすいです。
主に、超音波スケーラーと呼ばれる機械を使用して取り除きます。
歯槽骨(歯を支えている骨)の破壊が大きく、歯周ポケットが深い場合にはスケーリングだけでは十分に歯石を取り除くことは不可能です。
このような場合には、歯肉を切開して歯根を露出させ、細かい部分まで歯石を取り除きます。
歯周病によって破壊された骨は通常再生することはありません。
しかし、最近はエナメルマトリックスと呼ばれるタンパク質を塗布することで、歯周組織の再生を促進させることができます。
歯と歯のすき間が広い場合には、歯間ブラシを使って汚れを除去しましょう。
歯間ブラシにはいろいろなサイズがありますので、ご自分に合ったサイズのものを使用しましょう。
歯ブラシなどによる清掃のあとに、デンタルリンス(液体ハミガキ)を使ってうがいをすることで、細菌の抑制効果が期待できます。
朝はもちろん、昼食後や就寝前にご使用になると効果的です。
歯周病のなり始めは痛みがなく、気付きにくいので半年に1回は定期検診を受けましょう。
歯周病の治療が終わった方は、1~3ヶ月の間隔で通院し、歯ぐきの状態を管理していくことが大切です。
歯周病予防の基本です。歯だけでなく、歯と歯ぐきの境目に気をつけて、毎食後ていねいにブラッシングすることが大切です。
就寝時の歯ぎしりは力のコントロールができないため、歯周組織に大きな負担をかけています。
ナイトガード(歯ぎしり防止装置)の使用が有効です。
歯並びが悪い部分は磨き残しが多くなりやすいので、矯正治療をオススメします。
喫煙は歯肉の血行障害を引き起こし、ニコチンは歯周病菌を殺す白血球の機能を著しく低下させるため、歯周病を悪化させる一因となります。
歯周病は肺炎、食道癌、糖尿病、高血圧、早産などにも関与していると言われています。
歯周病患者は、普通の人に比べ2~3倍心臓病にかかりやすいということもわかってきています。これは出血をしている歯茎から菌が血管に入るためです。
歯周病の治療は、歯周病の進行状態、喫煙の有無、生活習慣、罹っている全身の疾患などにより、一人ひとり方法が異なります。
ですが、歯周病の治療を行いたいと思っている方にとって、治療自体が非常に辛いものであってはならないと当院では考えます。お口の状態をわかりやすくご説明させていただき、患者さまに合った治療方法をご提案いたします。
病気や加齢などにより誤嚥(ごえん)してしまうことがあります。誤嚥(ごえん)とは誤って食べ物を飲み込むことを言い、誤って食べ物が気道から肺へ送り込まれることがあります。送り込まれた食べ物に歯周病菌が付着し、それが原因で起こる肺炎を誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)と言います。
定期的なお口のクリーニングを行うことで、歯周病を予防できれば、誤嚥性肺炎も予防することができます。
歯周病は進行していくと、歯周ポケットは深くなっていきます。
歯周ポケットが深くなると、歯周病菌は血管内に入りやすくなります。こうして血液中に入ってしまった細菌は、血管をめぐり心臓など全身に運ばれることで様々な疾患を引き起こす原因となります。
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午後 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
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